気が付けば -KI ga tsukeba-

若かりし頃は遠い昔の話で、
気が付けば僕らは人生という道を歩きすぎていた。

互いにもう、振り返る事の出来ない
長い道程を進み、
気が付けば互いに交わりあうことのない場所まで到達していた。

残暑厳しき折りにつれ、
君と出会った涼しげな日々の続く夏を思い返す。

あれは、いくつ前の夏だったのだろう、
今考えれば、それは若かりし頃、
それで済ませてしまえるほど、もう過去の話なのかもしれない。

心を弾ませて繋いだ手も、
君の前で初めて見せた涙も、
初めて交わしたキスも、
最後に交わしたキスも、

あれは、いくつか前の春夏秋冬、
今考えても、それは若かりし頃、
それで済ませてしまうしかない、過去の話。

彼岸を越えて、秋を迎え
君の隣に居た日々の続いた、昔を思い返す。

二人はもう、交わる事のない
離れ水平に並ぶ道を進み、
気が付いていた、もう二度と交わることのない場所であることを。

若かりし頃は遠い昔の話で、
気が付いても僕らは人生という道を歩き続けている。

98.9.25 in da house


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