とりあえず底を見に行こう −Like a Rolling Stone−
昨日届いた エアメール
二時間遅れた 雨漏りする飛行機のせいで
大事な部分が 滲んで見えない
愛する思いを 封じ込め
速達で送った 僕のありったけの心は
宛て先不明で 家に戻ってくる
青山墓地に 自転車で
二時間遅れた 僕を君が怒っているように
立てた花束が 幾度も倒れる
書き掛けの手紙に 封をして
天国行きと書いて ポストに入れると
ポストマンがあきれて 手紙を僕に返す
Like a rolling stone
上手く行かないことくらい いつだってあるだろう
そのうち上手くいくと 自分に言い聞かせて
今日を生き抜く
Like a rolling stone
君を好きかどうかさえ 判らない曖昧な
ずっと止まったままの 思いを抉じ開けようと
今日も生き抜く
とりあえず行く先は見えないから
君に出会う為に とりあえず
この物語の結末を 見に行こう
とりあえず 現実(いま)の底を見に行こう
部屋を満たす 君への思い
気がつけばもう 煙草の臭いに変わっていた
時間が流れ 忘れたがっている
小箱に想いを 投げ込んで
とりあえず封をして 宛先もかかず
ポストマンに渡すと 無言で肯いた
Like a rolling stone
すべて忘れることくらい 難しくはないだろう
いつかはしなければと 自分に言い聞かせて
過去を投げ捨てる
Like a rolling stone
愛する権利すら 自覚なき曖昧な
あの日止まったままの 思いを抉じ開けようと
全てを投げ捨てる
いまでも君を愛しているから
胸張って君に 会う為に
この物語の終末を 見に行こう
とりあえず 過去(いま)の底を見に行こう
このまま君に出会ったとして
たぶんきっと君に 笑われるから
僕の人生の続きを 見に行こう
とりあえず 未来(いま)の底を見に行こう
転がる石に弾みをつけて
そのまま次の坂道を 駆け上る強さを 得たいから
Like a rolling stone...
98.12.9 in da house