高校生になって、青年となる。
人生において、己の行く末を決定づける岐路というものは、
多かれ少なかれ、誰の人生にでも存在し得るものである。
なかでも、高校時分というのは、良くも悪くも、その後の人生の大きな分岐点となる事が多々ある。
あなたも、ほんの少し昔を思い出して欲しい
影響の大小はさておいて、そういう経験があったはずだ。
わたしにとっても、高校生活は、人生において非常に大きな出来事があった。
いや、今の私を作りあげる中で最も重要なファクターかもしれない。
高校生になって、私は昔から憧れていた放送の世界に身を置くために放送部へ入学する。
中学から高校にかけてバンド活動を積極的に行う傍らで、私は歌うという行動と同様にそれらを支える機械やスタッフの仕事に大きく興味を持つようになっていた。
裏方仕事
私は、この当時から表舞台でスポットライトを浴びる欲求と、演出や、音響、照明等、影から支えるサポート活動へのあこがれという、反する2つの仕事に同時にあこがれていた。
・・・それは、それぞれに憧れていたのだろうか?
おそらくそのすべての仕事を同時にこなすことの出来る何かを探していたのかもしれない。
放送部で活動することで、DJやラジオドラマなど、音響機器をさわること、しゃべることが、私の毎日の日課になっていた。
時が過ぎて、2年生になり部長になる。
まだ将来へのプランも何もない私だったが、いずれは、放送に関係した仕事につければいいかな、とほのかに脳裏に浮かびあがっていた。
そんな矢先、 放送部の部室の扉を叩く音があった。
扉を開けると、そこには良く知った顔があった。
クラスメイトの保科。たしか・・・何やってたっけ?
保科は、文化祭の後に行われる後夜祭で、3年生の先輩と一緒に催し物を行うので、音響の協力をして欲しいと僕に頼んできた。
「ああ、別に器材もあまってるし、俺もあんまり忙しくないから大丈夫だと思うけど、」
「良かった。じゃあお願いするよ。何度か練習のときにつきあってもらう事になるけど」
「それは、大丈夫でしょ。ところで、なにやんの?バンドか」
「いいや、マジックショーなんだけど」
高校生になって、青年となる。
人生において、己の行く末を決定づける岐路というものは、多かれ少なかれ、誰の人生にでも存在し得るものである。
なかでも、高校時分というのは、良くも悪くも、その後の人生の大きな分岐点となる事が多々ある。
この文化祭が、わたしのこれからの人生に多大な影響を与える、そのマジックショーのメインでマジックを見せる一人の先輩、彼が僕のマジックの最初の分岐点となった。