月 4 5月 1998
ここんところ、日本テレビが広告媒体、マツモトキヨシがスポンサーとなり、デビットカッパーフィールドの日本公演が行われた。
このデビットカッパーフィールドなる人物、日本ではとんでもなく馴染みが少ない。知っている人は、NHKの世界のマジックショーなどでスペシャルで登場しているのを見ている人もいるだろう。一番有名な所だと、自由の女神を消した人である。
デビットの来日は、今回で4回目くらいになるはず。大阪の花博のオープニングイリュージョンのために来日した経験と、4年くらい前に、NKホールを始め、東京・名古屋・大阪で日本公演を行った。NKホールの時は、私も関係者の一人ではあったのだが・・・ただの売り子だったんだけどね、おかげで東京公演のショーは全て見れた。
しかし、その時に比べると観客の多いこと。
前回の日本公演は、宣伝媒体がテレビ東京系列だったので、イマイチパッとしなかったが、今回は大盛況。良く集まったわ、連日チケットは完売モード
内容も大きく変ってないことは前から情報が来ていたので今回は1回だけ見に行った。
実際の中身を文章で語っても対して感動も伝わらないのではしょるが、
やっぱデビットすげーわ
年をくってきたので、かっこいいというより渋くなってきたが、
マジックの現象云々よりも、とにかく演出や、お客様をのせるところなんてのはバツグンである。
ショーは通訳を付けて行うのだが、ただ言った台詞を通訳に訳させるだけでなく、
日本語と英語のギャップを十二分に利用して演技を見せる。
これは凄すぎる。日本語を喋ったりもするし、
また、大会場なのに細やかなジョークもある、
開演後、最初のイリュージョンでデビットが登場する、拍手喝采の会場。
すると開演に遅れてアリーナ席に現れる観客がいる。
普通だと、演技は継続されていくと思う所だが、
いきなり遅れてきた観客にスポットが当たるのよ
「いま、僕は何もない板の上から突然登場したんだよ、それは凄いマジックだったんだよ、君たちは見れなかったんだけど、続けても良いかな?」
その顧客に対して説明を始めるのである。
ショーのつかみとして利用できる物は最大限利用する姿勢はさすがと感服
ま、あとはいいやー。新作のイリュージョンも一つ入っていた。
渋い演出で、見ている最中なのに「はーっ」とため息を吐いてしまいました。
一部のマジック関係者や、何がどうマニアだか分からないが、デビットマニアは物足りないとか抜かしていたが、
だめすぎ。
マジック関係者の多くは、感動しようとしない。
前に見たネタだ。とか、
俺もあのネタ入れ様かな、とか
もー、ばかが多い。
トップマジシャンのショーが優れていて、多くの人の共感を得る最大の理由は、
全てのショーが、それぞれに最高であるから、である。
今回デビットは全てのショーの内容が微妙に異なっていた。演目が違うと言うやつだ
本来、デビットは全て変えるようなことはしないのだが、今回は何か思う所があったのだろう。
しかし、演出がうまい。
英語でショーを行っているのに、これだけ盛り上がるのだから、
他のマジシャンでは到底上手くいかない、
日本人がアメリカに行っても同じレベルには今のところ到達してるとは考えにくい。
しかもデビットは、2時間のショーの間に結構しゃべるのである。
今回思ったこと、
日本人は感動したショーの最後にスタンディングオベーション(でいいんだよね、立ち上がって拍手するやつよ)するスタイルがない。
前回もそうなんだけどね、
僕はいの一番で立ち上がって拍手しましたわ。
みんな釣られるように立ち上がったけど、アリーナの30列くらいまでかな。
後ろの方はぱらぱら。
2階席は皆無。
感動したショーには立ち上がって最高の拍手を送るのが、演技者にとっては嬉しいのである
これはミュージカルやクラシックなどと相通ずる物がある。
日本ではエンターテイメントへの最高の賛辞としてスタンディングオベーションすることが
少しずつではあるが、確実に浸透し始めている
しかし、デビットのショーで立とうとしない日本人を見ていると
日本ではマジックはエンターテイメントの地位を得ていないのだろうか、
ま、しょうがないよね。
日本にあるのは手品がほとんどだもん。
もっとマジックを見せないとね、
日本のマジシャンの皆さん
デビットの登場で、マジックが日本においてエンターテイメントとして成立する可能性があることに一人でも多くの人が気づいてくれる事を切に願う、今日このごろであった。