水 6 5月 1998
今に始まったことではないのだが、
マジックショーをしていたり、普通の会話の中でもよく、
手品ってタネがあるんだろ?
とか、
タネを明かしてやるから見せろよ
とか、
どうせタネがあるから、わかんないんだよ
と、訳の分からない三段論法を、
人のマジックを見る前から、見終わるまでの間に展開する観客がいます。
もう慣れっこなのですが・・・
まず前提条件で、
マジックにはタネ・・・つまり仕掛けがあるというのを前提に、
仕掛けなら見破ることが出来るので、見せろといいます。
見破れると自負する理由は・・・己惚れでしょうか(笑)
演技の善し悪しにもよりますが、私クラスのマジシャンであれば、ほぼ観客を魅了する演技を行うことが出来ますので(←これも己惚れだな)、一通り、その観客は何も出来ないままショーが終わります。
あまつさえ、拍手などしてしまうくらいです。
そして、その観客は己の(根拠など何処にも存在しない)プライドを傷つけられた仕返しというか逃げ口上として、タネが分かったらマジックじゃないんだからタネは分かんないと言います。
この話は、私の経験におけるマジックショーの中でも、少なくない観客の一つの例なのですが、彼らは残念なことに、
初手から大間違い
を犯していることに気がつかないのです。
まず、重要なのはマジックショーはタネを白日の下に晒すゲームではないということです。
観客が、それを目的としていても、マジシャンは観客に魔法を見せることを目的としていますので、マジシャンは、個々の観客が求めているものに応じて様々な演出を組み込みます。
決して、タネがばれないようにしなきゃと考えているマジシャンはいません。というか、普通に演じていればバレる事はありません、
ちゃんとした実力があれば、ですが・・・
また、タネだけに固執する観客に、驚きと感動を与えることは決して難しくありません。
これは、文章にするのは非常に難しいのですが、
長年に渡って多くのマジックショーや、営業をこなす中で、自然と身についてきています。
ちなみに
タネを探そうとしても、
一生見つからないかも知れません
ここで、重要なのが最初に述べた観客の論法において、
観客が定めている前提条件です。
マジックにはタネがある。
実は、これがすでに間違っているのです。
この話、次回へと続きます。