opinion


反響はあまりなくても、掲示板にお一人とメールで数通いただければ、それはもう十分な反響と私の中で認識してしまえば、こっちのものである。

中でも質問をいただいたのは、掲示板#82の匿名希望さんだった。これは商品そのものの話になるので、趣旨とは離れているのだが、せっかくの機会なのでここでお話していきたいと思う。

掲示板に寄せていただいたコメントを併記しつつ、お答えしていこう。なお、以下の答えは私の独断と偏見による判断が含まれている。販売側や利用者にはもしかすると違う意見もあるかもしれないので、その場合は掲示板にお書きいただければ、と思う。

■それぞれの長所と短所を併記していただけると、これから買う人には助かるのでは?

なるほど、これはまったくもってごもっともである。意外と知らなかったのだが、マジックカードPROを否定する人たちの一部は商品を見たことも買ったこともないらしい。これは匿名希望さんではなく、他の方から寄せられたメールで知ったことである。マジックカードPROはこちらのお店で購入できるらしいので、1200円ではあるが、1個くらい買ってから判断するのも良いだろう。

では、私なりのカードそれぞれに対する長所と短所を述べていこう。

まず、バイシクル。

バイシクルの長所は、マジック用のカードとしてディファクトスタンダードにもなっているため、これに付随したアイテムがたくさんある事だ。ギミックを利用するマジシャンにとって非常に重要な要素とも言える。また、最終加工により、カードの滑りが非常に良い。ファンやスプレッドなどがしやすい為、これらの「見栄え」のする動きはバイシクルは優れていると言えるだろう。比較的どこでも購入できるというのも長所といえる。
一方で短所の最右翼は、品質の不安定さが挙げられる。ここ数年特にひどいのだが、エッジのカッティングが粗雑だったり、色、特に青に関しては製作している工場によって色が違う。ギミックカードを乗せたら、レギュラーデックと色が違って使い物にならない、なんていうケースはマジシャンなら一度くらい経験したことがあるのではなかろうか。他には同じく印刷だが、印刷ズレが激しいという事もある。昔購入したもので、片方のインデックスが半分切れてしまっているものもあり、キレた事もあるくらいだ。また、紙のそり方も強い。新品は必ずカードが横方向に山なりになっている。これはデックの中で1枚だけ表にして隠して置きたい時に、とんでもなく目立ってしまう時もあり、反りを直す手間を必要とするのはいただけない。

次にBeeだ

Beeの長所は、バイシクルと同じく最終加工により、カードの滑りが非常に良い。また、素材の違いかと思うが反りも比較的少なく、手に馴染むスピードが速いのも特徴だ。カードの曲げに強い、過剰な滑りがないなどギャンブリングカードとして必要な要素を多くもっている。セカンドディールなどギャンブルテクニックがバイシクルよりも僅かにやりやすいのはこの辺の要素が大きいと思われる。
短所は、エッジがないという事だろうか。白いエッジが無いので、デックの中でカードを1枚表にすると、明らかに色が違う。多少でもずれると即分かってしまうくらい繊細なものである。ギミックカードなどはほぼ無いと思われ、これはギャンブリングカードとして当然の要素がマジックでは短所となりえるという事であろうか。

最後にマジックカードPRO

マジックカードPROの長所と短所は表裏一体で、ニスの混合比の違いにより上記の2つより滑らない。その代わり、反りも少ない。スプレッドなどに関しては、バイシクルで慣れているとしづらいという感覚を持つと思われるが、これは慣れの問題だろう。カード表面のエンボス加工がないのも特徴で、これによりカードの接着面は向上している。いくつかの技術はこの効果によりやり易さが格段にあがるが、その反面、いくつかの技術ではこれに慣れるのに時間がかかるだろう。具体的な技術名に関しては割愛させていただく。
私的な事でいうと、品質の安定性、反りの少なさなどから、演技で多く用いる「エスティメーション」という技術を行うにあたっては、3つの中でこれがベストである。
短所は値段とギミックカードの問題だろうか。値段に関しては仕方が無いと思う。しかしカード自体の寿命は不思議とバイシクルより私は長くなるので、結果としては同コストかもしれない。ギミックカードに関しても、レギュラーデックの販売元がギミックに関しても展開している事もあるし、これが他のマジックショップでも手がけてもらう事ができる世の中になればあっという間に改善されるだろう。

カードにはそれぞれ長所短所があり、完璧なカードは存在していないし、おそらく今後も存在しないだろう。これはマジックのためのカードが必要とする要素が色々なところで相反してしまうからだ。特にカードの滑りと反りは比例するため、少なくとも私は何がでてきても満足しない気がしている。

■Jokerがマンガのキャラクターになっている時点で大人の私には購買意欲が湧きません。これはpsykaさんの演技では困らないのでしょうか?

なるほど、それも大事な要素である。私の場合はまったく問題がない。なぜかというと、私の基本的な演技はジョーカーをまったく使わないので、デックにジョーカーが入っていないからだ。もし絵札がキャラクターカードだったら、きっと私も買わないだろう。これはキャラクターモノとしての商業価値を踏まえているため、良し悪しという判断は難しいのだが、ブースターパックなどで地味なジョーカーを出してくれたらうれしいという気持ちも少しある。まあ、どちらにせよ使わないのだが。

ちなみに、私はバイシクルのジョーカーもあまり好きではない。個人的な好みでいえば、タリホーのジョーカー(調教師)がお気に入りだ。

■ブースターパックとかいうものは自腹で購入されていますか(購入後のトレード含む)?あの購入形態も購買意欲に結びつかないのですが、どう思われます?

ブースターパックに関しては意見が分かれるところだろう。マジックアイテムとしてはそろえづらいものの、トレーディングカードとしてコレクター意欲をくすぐるという意味ではビジネス的にありだと思う。私自身はブースターパックを購入しているが、演技で使用するものは2種類しかなく、これを必要枚数揃えた時点で購入しなくなった。

特殊なカードは別にして、ダブルバックやブランクバック、ブランクフェイスなどバイシクルでも展開しているオーソドックスなものに関しては、それ単品で販売してもらえると有り難いと思う。もしかしたらしているかもしれない。詳しくは知らないが。

マジックカードPROに関しては、発展途上であるという事と、開発にマジシャンが加わっていることから、商業的な見地だけでなく、マジックのアイテムとして購入しやすい方法がどんどん取り入れられていく環境ではないかと思う。その点ではバイシクルよりも優位があり、今後に期待できるのではなかろうか。

私自身はマジックカードPRO信者ではない。使いやすい方を使用するし、ダメなら買わないだけである。マジックカードPROでジャンボカードが出れば、ショーでバイシクルを使わなくなるかもしれないし、逆にバイシクルに安定性が完全に戻ったらマジックカードPROを使わなくなるかもしれない。ようは使いたいカードを使うだけだ。

お返事のお返しにはなっているだろうか。この話に関しては引き続きご意見、ご感想を求めていきたいと思う。あまり大きい話ではないのだが、私にとっては興味深い話である。

今回は、少々くだらないお話にお付き合い願いたい。

マジシャンであるために、トランプというのは切っても切れない関係である。無論、トランプを使わないマジシャンもいるだろう。ステージマジシャンであればあまり関係がないかもしれない、が、一度もカードマジックをしたことが無い人というのはそんなにいないはずだ。

なので、トランプはマジシャンにとって切っても切れない関係とする。

ステージマジックにおいて、ミリオンカードなどで使用するカードは色々ある。私はニールセンカードを使用しているが、そうではない方もいるだろう。こっちはあまり語れる知識がないのでパス。

今回はクロースアップマジックにおけるカードの話である。

クロースアップマジックで使用するカードの定番といえば、”U.S.Playing Card Company”の「バイシクル」シリーズである。現在、日本で最も販売されているのは、ライダーバックシリーズである。赤と青の2種類がある。皆さんもご承知だろう。

ここ最近の話だが、TI東京さんがマジックマスターカードというものを発売している。聞けばマジックキャッスルのメンバーが、紙質、デザインなど細部にまでこだわって作った、マジックキャッスル公認のクロースアップマジック用のカードです。との事。
(2007/2/14追記)すでに販売終了している。

まあ、マジックキャッスルが公認しようが、どこが協力しているのか、など世間のしがらみは向こうの方に置いておいたとして、マジシャンはどのカードを使うべきだろうか。

非常に悲しい事だが、マジックカードPROを使用していると、白い目で見るマジシャンがいる。おそらく畑違いの団体だからなのか、非常に村八分的な扱いをされた事がある。逆もまたあり、マジックカードPROを主に使用する団体でバイシクルを使っていると、「今日はネタでもやるんですか?」と言われたり。

私からすれば自分が使いやすい方を使って何が悪いとフォントを大にして言いたくなるような事なのだが。

バイシクルもマジックカードPROも、これに加えてBeeなど、私はそれぞれに長所短所があると思っている。バイシクルに関しては、最近は品質の低下が激しすぎる。一時期の安定した品質は一体何処にいってしまったのか、嘆かわしいものである。
マジックカードPROは最終的な加工がバイシクルとはまったく異なるため、バイシクルの質感を好む人から見ればダメカードの烙印を押されるだろうが、意外と長所も多い。短所は、おそらくバイシクルの長所部分になるのだろう。品質の安定度は抜群である。
Beeはカード自体が特殊だ。エッジレスはマジック自体に問題を起こす可能性を持っているが、一方で短時間で手になじむという点では他の追随を許さない。さすがギャンブリングカードである。

私は、現在はマジックカードPROを比較的利用している。しかしバイシクルやBeeを使わない訳ではない。時には、こちらを利用する場合もある。

私は、プライベートパーティなどに呼ばれた場合に見せるルーティンでギャンブルをモチーフにしたショーを組む事がある。この場合、私はBeeを全ルーティンで使用し、その雰囲気を作り出している。Beeに何故エッジがないか、などの話をプレゼンテーションに組み込むなど、良い効果を生むケースが多いからだ。

また、サロン以上の大きなステージでデックを使う場合はバイシクルを使うケースが多い。これはジャンボカードを使用するルーティンを含んだ場合に、一つのショーのなかで何種類ものデザインのカードを使用することを避けたいという配慮のためである。マジックカードPROには現時点ではジャンボカードが存在しない。

今まで、カードといえばバイシクルだっただけに、カードマジックPROの出現というのはマジック界においては一つの実験だと思われる。私は、自分が使いやすいカードを選ぶべきと思うのだが、皆さんはどうお考えだろうか。

先日から月に一回のペースで数名のマジシャンと「ぺーはー友の会」なるグループ活動を開始した。この会では、それぞれが持つ目標もしくは目的に対し、一回4,5時間を費やして個々のマジックの力量をアップさせようという目論見がある。

その中で話した内容にマジックを覚える際の目標と目的意識の確立という話があった。

マジシャンとして演技を上達させる最大の力は「経験」である。と考えられている。1年しかやっていない人よりも10年の人の方が経験は多いというのが一般的な話だ。しかし、これではマジシャンは長くやらなければいけない事になるし、長くやっていなければ凄いマジシャンになれないということになり、ちと話がおかしくなる。実際、10年やっていてもロクでもないマジシャンは山のようにいる。また初めて1年そこいらでも優れた演技を見せるマジシャンもいる。

私自身の経験からすると、明確な目標があるというのは非常にわかりやすい、また、自分自身の目標を「いつ」までに「どこまで」できるようになっているか、と考えるのがベストである。

私がマジックを始めたころ、私には同世代に二人のマジシャンがいた。二人ともそれぞれにすでに長いキャリアを持っていた。そこで私が立てた目標は高校を卒業して4年のうちに、その間に彼らが成長する分を含めて追いつくように努力するというものだった。

期間と目的を持つということは、自分の練習に対して意味が生まれる。「誰々さんのようになりたい」という目的を持つ人は多いが、そこに「いつまで」という時間的な制約を設けることによって、毎日の練習の密度が変化する。

私の場合は、対象とした人、すなわちライバルがすでに5年以上のキャリアを持っていたので、彼の5年に以降の4年を加えた、彼の9年の経験を4年で習得するという非常にきついノルマを課した。

結果として、私の毎日は密度の濃いものになったし、マジックの大会などでもそれを反映するような結果を出すことができた。これはマジックの上達に一定の時間が必要なのではなく、自分の考え方と意識一つで時間というハンデはいかようにも埋めることができるという事の証明にもなっている。

目標と目的意識は人を対象にするだけではない、自分がこういうマジシャンになりたいと考え、その目標に対する期間を決めればいいだけである。メンタリスト、カードマジックのスペシャリスト、ステージマジシャン、目標は一つだけでなくてもいい。ただ、目的を考えるときに、そのマジシャンにあこがれる必要はないが、技術力などにおいて明確な目標は、対象を人にしたほうが分かりやすいかもしれない。

目的意識は重要である。繰り返すが、「いつ」までに「どうしたい」と考えることを、是非理解してもらいたいものだ。

Psyka.netの中に新たに設けられた、この「narrow-minded thought」に関して、まずは私自身がこれをどのような意図で設けたのかを説明する必要はないかと、まずは文章を書くという作業におけるリハビリのつもりで書いてみることにする。

このコーナーの趣旨は以前書いていた「Outside of “King’s road”」に近い。いわば、Psykaのマジックに関するエッセイという事になるだろう。

私自身はマジック業界とは僅かながら距離をおいた関係を現段階で保持している。無論、接していないわけではないが、マジック漬けではない。しかし、マジックを始めてから12年にわたる経験において、色々な理論を学んできている。

これに加え、私が幸運であったのは社会人としての経験や、テレビ番組を制作する経験など様々なカテゴリーでの経験を同時に持つことができたことであろう。これらは、別々に捉えてしまえば、個々の経験にしかならないが、互いに重なる部分があることに気が付いてしまえば、経験は倍にも3倍にも膨れていく。

もう一点は、意外と(もしくはお約束のように)私はこだわりが多い。これらはただ無意識のうちに行っていることもあれば、意図してるものもあり、さらに、わたしはこれらを文章に表現できる能力をわずかながら持っているだろう。

さらにいうならば、私はこういうものを書くのが好きだ(笑)また、書くことで自分自身に再認識する部分もあるだろうし、かけている部分を誰かに指摘される事だってできる。聞かぬは一生の恥、されど書けば一瞬で解決・・・やもしれぬ

もっというならば、このような考え方は居酒屋で説教まじりにいうのは、誰でもできるのだが、これを文章にしておおっぴらにするのは、なかなか出来ない。それはある一定のリスクを背負うからだ。しかし私はそのリスクを背負うことができるだろう。なぜなら、これは自分自身の確固たる考え方で成り立っており。また過ちを改善する気もあるからだ。無論、考えを曲げるつもりはないので、戦うときは戦うのだろう。

さて。

ここで描かれる様々な理論・思想・意見は「Psyka」というマジシャンの考え方である。私は生粋のウイザードイン育ちではあるが、その考え方はウイザードインと合致しているとは思わないし、ここを読まれる奇特な読者もそう思わないほうがよい。私は柳田昌宏にはなれないし、小林恵子でもない。彼らの代弁者にはなれるわけもないのだから、語られるのはあくまでも私の私見に過ぎない。

しかし、それが時にはウイザードインで示されているものと同じであることは、おそらく多分に含まれるに違いない。それでも100%にはならない、どこかで亜種であることを読者は十二分に知っていてほしい。それは、現在の私がウイザードインの純粋培養ではないからだ。

しかし、ここでこれから書かれていく事の中には、もしかしたら、自分のマジックに役に立ってしまうやもしれぬ情報があったり、なかったり。それは読者が判断して欲しい。また、そんな事になれば私も書いたかいがある。。。。まあ、正しくない部分で影響されたとしても責任は一切終えないのだがな。

以上、書き始める前の言い訳終了。自分の考えを残す倉庫として、ここに私の理論を「あきることなく」残せることを祈りつつ、筆をとろう。

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